自転車野郎のスケッチは楽し

沖縄本島ひとりスケッチ旅行記


 寒い滋賀を抜け出して何処か暖かい所でのんびりとスケッチしてみたくなり沖縄本島へ行く事にした。ネットで探したら一人旅OKのレンタカー付き朝食付き3泊4日格安料金プラン(3連泊)があり早速申し込んだ。
2010年2月20日(土) 
 6:40発のJR快速に乗車、神戸空港まで約2時間しばし舟を漕ぐ。JTA307便は定刻通り9:30離陸、11:30那覇空港に到着。予報に反し空は青空、嬉しい予報外れ。

 レンタカー会社への送迎バス乗り場へ行ってびっくり長蛇の列(左写真)、なんとレンタカー利用者の多い事。ようやく送迎バスに乗り手続きを済ませてレンタカー会社を出発したのが昼飯抜きの13:15だった。今回お世話になったダイハツムーブ君(写真右)。契約は1300cc車だったが小回りと駐車を考慮し敢えて軽4輪車に変更した。
 14:30浦添市の当山石畳道入口に到着(写真左)。この辺りは道がせせこましくて駐車する場所が無い。見かけたおばさんにスケッチ旅の話をしたら快く自宅の敷地に止めさせてくれた(写真右)。沖縄旅しょっぱなの親切が嬉しかった。

 この石畳道は琉球王朝時に整備された街道で多くの人馬が往来したのだろう。ここは谷間で沖縄戦の死角となりほぼ無傷で約200mが当時の姿で残った。手前の道も急坂だが橋の向こう側はもっと急で馬も転げると云われたそうである。

 中央に見える吾妻屋の前に腰をおろし途中で買ったおにぎりをほうばりながらスケッチを始めた。

 那覇の金城石畳道に比べここはひっそりと静かな所である。
 16:30当山を出発。高速道路北端終点の許田で降り名護で夕食をすませて本部半島の山の中のホテルに着いたのが19:30。左の写真はホテル正面で斜面に建つ4階建て。中央写真の倉庫の様な長い棟に今夜から泊まる部屋が有る。右の写真が部屋内部。二人ではちと狭いが一人には十分な広さ。格安料金の割にはトイレにはウォッシュレット付き。しかしエレベーターが無いので健康志向(?)の部屋である。
 

2月21日(日) 
 今日もいい天気だ。朝食を済ませた後、近くの本部町備瀬へ向かう。8:30備瀬到着。
 左写真の看板には概略次のように書いてある。
 
 備瀬村落は1100mの弓型海辺に沿った平坦なサンゴ礁砂丘の上に形成された村落である。海は遠浅。

 屋敷の周囲に植えられたフクギ(福木)は雌雄別株で樹高は20mにも達する。常緑で密生する葉の為防風・防潮・防砂・防火の効果がある。
 下左写真はのんびりした村落入口風景。中央はフクギ並木入口。右は変わり種貸自転車。
 下左写真は浜辺。右はフクギ並木。まずはスケッチポイントを探しながら村落内の見学。並木ばかりの碁盤目状の通路で大きな変化が無い為うっかりしていると迷子になる。しかも端から端まで1kmだからけっこう時間がかかる。
 下左写真の向こうにかすかに見える所がエメラルドビーチ。出来るだけ近づいた位置でこの日一枚目のスケッチ。2枚目はフクギ並木の中で沖縄風民家を入れた構図でスケッチした。2月なのにスケッチしている手を蚊に刺された。トイレは村落両端にあるが中央部でスケッチしているのでトイレまで500mは歩かねばならない。今日はよく歩く日である。
 15:30備瀬を出て16:30今帰仁城跡へ。入場料400円を払って城跡内に入る。パンフレットには今帰仁城の築城は定かではないが14世紀ごろとの事。2000年世界遺産登録。この城郭の石積みは他の城と違って石灰岩の自然石を積み上げたもので独特の様相である。地形に沿って築かれた城壁はまるでミニチュア万里の長城の様。ひととおり見学して主郭(本丸)の城壁越しに海の見える景色をスケッチした。18:00城をでて途中夕食を済ませ19:30ホテル帰着。


2月22日(月) 
 今日は生憎の曇り空、午後は雨の予報。8:15ホテル出発、一路うるま市の宮城島をめざす。。途中許田の道の駅に立寄り本部町名産のタンカンを
購入。みかんの一種タンカンは見た目は極めて悪いが味は抜群。許田から高速に入り沖縄南インターを経て海中道路の中ほどにある海の駅あやはし館

10:30到着。
 海中道路とは本島と平安座島の間を盛り土して造られた道路である。
 下左写真は本島側。右写真は平安座島側。
 渡った平安座島は石油基地の島で巨大なタンクがいっぱいある。ひとまず宮城島を通り抜けて伊計大橋(左下写真)を渡って伊計島へ。島内は右写真の様なサトウキビ畑の景色ばかりで面白くない。
 空は怪しくなってきた。早く一枚だけでもスケッチする為にあまり考えることなく伊計大橋を描くことにした。左写真の構図は月並みなので浜辺に降りる事にしたが道がわからない。たまたま通りがかった住民の男性が降りる所を教えてくれた。ガードレールを乗り越えた所に草に覆われた道らしきものがある。他所の物には到底わからない。もう11:30、早速スケッチを始めたが風が強くてスケッチブックが飛ばされそうになる。13:00雨が降ってきたので着色途中だがホテルで仕上げる事とし退散することにした。
 ※左の写真は撮り忘れたのでパンフレットの写真を流用しました。この日は曇り雨です。
 海の駅のあてがはずれて昼に食べる物が何もない。近辺に店もない。仕方なく土産に買った黒糖をしゃぶるが腹の足しには全然ならない。
 宮城島を走っているといたるところに「学校統合反対」の看板が。左下写真は方言で書かれた看板で「絶対ぬぐわーさん学校反対」と書いてあった。意味はわからないが何となくわかるような。中と右の写真は小学校と中学校。本島側うるま市内の学校に統合されると廃校となり、ますます村は過疎となっていくのだろう。
 学校の周辺にある村落。幹線道路からは全く見えず横道を奥へ入り込んだ所にある。ところどころ廃屋となった沖縄風民家がある。市が廃校を考える程生徒が減っているのだろう。雨が降っていなければこの村落内でゆっくり描いていたのだが。

 今日はもう雨が止みそうにないのでスケッチをあきらめ観光することにした。まずはすぐ近くの勝連城跡へ行こう。
 14:15勝連城跡へ。ここも世界遺産だが拝観料は無料。この城は12,13世紀に築城されたそうである。この城郭の石積みは下中央の写真の様に石灰岩を方形に加工して積み上げてあり今帰仁城とは全く異なる。城郭の上は右写真の様に歩けるようになっているが手すりもなく下を見ると足がすくむ。
 16:20本部半島の北にある屋我地島側古宇利大橋の袂に着く。下左写真は砂浜に降りて古宇利島を見る。古宇利大橋を渡って古宇利島に渡ったがここは観光地化していて島内一周ドライブコースがある。右写真は途中のの高台から古宇利大橋を見る。

 17:00古宇利島を後にして帰路につく。夕食を済ませホテル帰着19:00。
 

2月23日(火) 
 ホテル前のとっくり椰子をスケッチしていたら出発が8:45になってしまった。今日は最終日なので那覇空港へ近づくコースをとり、まずは北中城村の重要

化財の中村家へ行くことにする。
 
許田から高速に乗り北中城インターへ向かう途中、金武インター付近で左写真の看板があったがどのように注意をするのでしょうね。目に見えない早さで飛んでくる弾丸に気がついたときは自分に当たってますね。いや気がつかずにあの世行き?(笑)。
 10:30国重要文化財中村家に到着。拝観料500円を払い受付嬢(?)にスケッチの許可を得る。中村家は古き沖縄の住居建築の特色を全て備えてそっくりそのまま残っている極めて珍しい住居であるとパンフレットに書かれている。ところがそれがスケッチには災いして左下左写真の様に表から見ても樹木と石塀の間に一部の屋根しか見えないのである。屋根には魔除けの怖そうなシーサーが。今回初めて屋根のシーサーを見た。
 ゆっくり内部を見学。目隠しの中塀の奥に入ると正面に母屋、右手に離れ、左手に穀倉、更に左の奥には家畜小屋がある当時としては上層の農家との事。畳敷きで床の間あり仏間ありおくどさんがありと本土の上層農家と変わりが無いように思える。屋根は沖縄らしい丸瓦の漆喰塗り。

左が穀倉、上部はネズミ返し               左が母屋、右は離れ               母屋台所に続く左が家畜小屋

座敷、仏間の裏にある4,5畳間               
寝室に使われたとの事                    台所のおくどさん                      台所の煙抜き

 何もかも近すぎてスケッチをやり難いが受付嬢にスケッチすると言った以上描かねば。離れの縁側に腰掛けて母屋と穀倉を描いてみたが気分も乗らず面白くない絵になってしまった。
 中村家を出た後は更に空港に近い首里城へ行く事にした。13:30首里城に到着したがスケッチする気は全くなく観光することにした。入場料は800円、駐車料は310円。
 那覇市具志のレンタカー会社に16:00到着。走行距離は478km。
 16:30那覇空港へ。考えてみれば今日は昼食をとっていなかったので即レストランへ。
 18:05定刻通りJAL2088便は離陸、19:55伊丹に着陸。22:00頃無事帰宅した。
 

ちょっと見難いですが書き込んである所が今回訪れた所です。


 スケッチはギャラリーページ10風景スケッチに順次アップしていきます。