自転車野郎のスケッチは楽し

立山登山


 スケッチの知人KENさんが「低山歩きとスケッチ」のホームページを開いておられるが、そのスケッチブックページに2008年8月の「立山登山」記が載っている。当時それを見て刺激を受けいつか登ってみようと思っていた。若い頃に縦走で雄山を通過しているが雄山を直接登るのは初めてである。今回立山の紅葉など散策を兼ねて標高3003mの雄山を夫唱婦随で登山する事にした。。

   計画 14日 称名滝見物と弥陀ヶ原散策    実際 14日 晴にて 計画通り
       15日 雄山登山と室堂平散策          15日 雨にて 室堂平散策のみ
       16日 黒部散策または松本市内散策      16日 晴にて 雄山登山
2010年10月14日(木) 天候 晴
 電鉄立山駅に12:25着。バスに乗換て12:45称名滝バス停に到着、戻りのバス時刻は13:55。ここから歩く事20分で称名滝に着く。

←落差350mの滝は圧巻。暫く見物した後早速スケッチブックを取り出し早描きスケッチ

 描いていると滝の中ほどに何か動くものが。よく見ると垂直の岩壁にクライマーがはりついているではないか。よくやりますね〜。
 電鉄立山駅に戻りいよいよアルペンルートへ。先ずはケーブルに乗り美女平へ。高原バスに乗換えて弥陀ヶ原で下車。この辺りは標高2300mで紅葉はもう終わっていた。

 ホテルに荷物を預けて散策に出ようとしたら宿泊者サービスでホテルマンの説明つきで散策するとの事で同行。先ずは立山カルデラ展望台へ向ったが道が狭いは足に早い遅いが有るは大人数に説明つきで僅か15分で行けるところが1時間もかかる始末。離脱して弥陀ヶ原散策コースへ行く事にした。

 この広大な溶岩台地に広がる色とりどりの花・・・が全然無い。花はやはり6〜9月。ガキの田と呼ばれる池塘も水が少なくてまばらである。広い木道を見渡しても二人だけの世界。しかも日はもう沈みかけている。少し焦って帰路の木道を急いだ。あと10分帰るのが遅かったら真っ暗闇の中だった(冷汗)。

        ↓立山カルデラ。                            ↓弥陀ヶ原湿原の池塘群と木道。

2010年10月15日(金) 天候 雨
 朝起きると天気は宜しくないが8:00予約の高原バスに乗る。室堂平に着く頃には雨が降り出してきた。辺りはガスで一面真っ白で眺望はゼロ。本日の
雄山登山は中止せざるを得ない、明日が晴なら明日登ろう。10時頃まで待ったが天候回復せず。しかし小雨になったので雨具をまとい室堂平散策に出
た。

↓みくりが池と遊歩道、向うにみくりが池温泉が見える。             ↓地獄谷への散策路、きつい階段道である。

 地獄谷は硫黄の異臭で臭気がひどい、長居する場所でもなく引き返すことにした。きつい階段道の途中で思いがけず雷鳥に出会った。人を恐れず1m程の距離に居て餌をついばんでいる、ラッキーな出会いだった。

 雨がひどくなってきたのでみくりが池温泉で一休み、ぜんざいが美味かった。この後血の池まで行きりんどう池を経て室堂ターミナルに戻った。

 ↓雷鳥。 ガスがたちこめて見難い写真です。                  ↓血の池の遊歩道にて防寒防雨姿の配偶者。

←夕方ようやく雨が止みガスも徐々に切れてきて立山連峰がくっきりと姿を現した。
 正面の鞍部が一の越。すぐ左のピークが明日に登る予定の雄山、右のピークが浄土山。
(カメラ位置の関係で右の浄土山が高く見えるが標高は2820mで雄山より183m低い)

 手頃な石に座りスケッチした。夕方なので散策路に居る人影はまばらである。気温は5℃をきっているだろう。寒いので手早くスケッチし宿舎に戻って大風呂に飛び込んだ。じんわりと体が温まってくる。至福の時間を感じた。

2010年10月16日(土) 天候 晴
 8:20標高2450mの室堂ターミナルを出発、標高2700mの一の越に向かう。コンクリートで固められた立派な石畳の登山道が続く。祓堂を過ぎて一の越に到着、所要時間は50分だった。この峠からは今まで見えなかった後立山連峰が一望できる。(ここには一の越山荘があり協力金100円が必要なトイレがある)

 稜線に出た途端強風が吹きわたり汗ばんだ体を急速に冷やしていく。岩石の風を切る所には雪がうろこ状に張り付いている。手が冷たくて手袋を装着、ジャケットのファスナーをしっかり締め頭はフードで防寒。
 10分休憩して雄山への登山開始。
 
   ↓一の越までの石畳の登山道。                           ↓眼下の一の越山荘。


 石畳道は一の越で終わり雄山へは急傾斜で岩だらけのガレた道が始まる。落石に気をつけながら慎重に一歩一歩登りつづける。

    ↓頑張って登る配偶者。                             ↓小さな祠越しの室堂俯瞰。

←ようやく雄山神社がある標高3003mの山頂に10:20到着。所要時間は一の越から60分だった。

神主さんは不在でお祓いは無し。

 私はこの山頂に以前立った事がある。早月尾根から剣岳に登り剣御前、別山、大汝山を経て雄山に至る縦走の時である。それはもう40年近く前の事で雄山での記憶は朧げにしか無い。  

 久し振りに自身の脚で登った3000m級の山頂に立つ気分は爽快だった。

 昨日の雨は嘘の様。空は晴れ渡り空気は澄んで最高の眺望であった。

 ↓お社越しに見る縦走路。向うに剣岳が見える。                  ↓後立山連峰の白馬三山方面。
       ↓針の木方面・・・と思う。                         ↓烏帽子燕方面・・・と思う。

 名残が惜しいが帰りの電車の時刻が気にかかる。スケッチする間もなく後ろ髪をひかれる思いで山頂をあとにした(注・・・私は頭頂も後ろ髪も無いですが(笑))

 ガレ場の下りは登り以上に神経を使う。落石と滑落に気をつけながら慎重に足場を探しながら下って行く。室堂ターミナルに12:20到着した。途中アジア系外国人の集団に出会ったがこんな所も国際的となっている。しかし彼らは上から下まで新品の登山装備、富裕層なのだろう。

   ↓帰路大観峰駅から見る紅葉。                            ↓黒部湖の紅葉。


 扇沢→信濃大町→松本→名古屋→京都を経て無事帰宅した。